新築はなぜ木造住宅が多い?メリットとデメリットを知れば納得
木造住宅は木を材料としており、自然のぬくもりや優しさが感じられて人気の工法です。
しかし「木造住宅のメリット・デメリット」を知れば、住宅計画がよりしやすくなるでしょう。
新築一戸建て住宅の計画をお考えの方は、ぜひチェックしてみてください。
■日本の新築住宅は「木造」が多い
日本では木造住宅のシェアが高く、一般的な一戸建ては木造であることが多いです。
じっさいに国土交通省のデータでは、2021年度の木造住宅の新設着工戸数は「57.5%」で約6割が木造となっています。
しかし初めて家を建てる方は「なぜ木造住宅が多いの?」「木造住宅のメリットは何がある?」と、疑問に思ってしまうこともあるでしょう。
そこで本記事では、木造住宅のメリットやデメリット、木造住宅以外の工法の種類についてもご紹介していきます。
これから新築一戸建てを検討されている方は、ぜひ参考にしてみてください。
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■住宅建築工法の種類
ここでは、住宅の建築に用いられる主な工法についてご紹介していきます。
ハウスメーカーや工務店によって得意分野があり、「木造専門」「鉄骨造専門」など種類は様々です。
工務店選びの際には、まずは「どの建築工法の種類に対応しているか」をチェックするのがおすすめです。
・①鉄骨造(S造)
鉄骨造は「S造」とも呼ばれ、その名の通り鉄を骨組みとして建築する工法です。
垂直方向の「柱」や水平方向の「梁」を軸組みとして支える仕組みのため、間取りの自由度が高くなります。
一戸建ての大空間リビングや吹き抜けなど、思い通りの間取りが実現できるでしょう。
木造住宅より強度が高く、鉄筋コンクリートより費用が安いというメリットがあります。
ただし内部結露が発生しやすく、「夏暑く冬寒い」という点には注意が必要です。
・②鉄筋コンクリート造(RC造)
鉄筋コンクリート造は、「RC造」と呼ばれることもあります。
コンクリートの内部に鉄筋が入るため、引張・圧縮どちらの力にも耐えられる強い構造です。
耐久性がとても高いので、耐用年数はほかの工法に比べて最も長くなります。
ただし建築コストが高いため、大型マンションなどの中高層建築物で用いられることが多くなっています。
・③木造(在来工法)
木造住宅には複数の工法がありますが、日本で最も用いられているのが「在来工法」です。
柱、梁、筋交いといった木材の部材を組み合わせて建てられ、比較的リーズナブルに建築可能となります。
日本古来からある工法ですが、昔ながらの日本家屋からモダンな住宅まで幅広いデザインに対応しています。
木は燃えやすそうというイメージを持たれがちですが、丈夫な木材は内部まで火が回るのに時間がかかるため「意外と耐火性能が高い」というメリットもあるのがポイントです。
また柱のスパンなどは自由に決められるので、狭い土地や複雑な形状の土地でも問題なく建築できます。
・④木造(2×4ツーバイフォー)
2×4(ツーバイフォー)は、北米で生まれた木造工法です。
2インチ×4インチの板材を用いることから名づけられ、板材を組み合わせて建築する工法となります。
在来工法のように柱があるわけではなく、壁や床といった「面」で支える構造です。
そのため耐震性にすぐれ、気密性が高いのが特徴となります。
また寸法が規格化されていることにより、「スピーディーで価格が安い」のもメリットでしょう。
ただし間取りの自由度は低く、ある程度規格化された間取りの中から選ぶのが一般的です。
■木造住宅のメリット
ここでは、日本でもっとも建築戸数が多い「木造住宅」のメリットについてご紹介します。
「なんとなくみんなが選んでいるから木造にしようかな…」という方も、メリットを知れば積極的に木造を選びたくなるかもしれません。
・建築価格が安い
木造住宅は、ほかの工法に比べて「安くてリーズナブル」というメリットがあります。
坪単価の大まかな違いは、下のようになります。
- 木造:50~60万円/坪
- 鉄骨造:70~80万円/坪
- 鉄筋コンクリート造:100万円~/坪
ウォールナットなど高級木材を多用する場合には高くなってしまうこともありますが、基本的には低コストになることが多いです。
住宅は建物費用だけでなく、内装、家具、家電など様々な費用が掛かります。
そのため建築価格が少しでも抑えられる木造は、メリットが大きいと言えるでしょう。
・調湿効果がある
木材には「調湿効果」があります。
調湿効果とは、周囲の湿度に合わせて湿気を蓄えたり放出したりする作用で、気候に関わらず「室内の湿度を一定に」保ってくれるのです。
特に梅雨のじめじめした季節などは、湿気を木材が吸収してくれるためカラリとした空気で過ごせます。
素足で歩くことの多いフローリングは、こういった理由から「無垢材」が好まれています。
・リラックスできる
木材には、自然の「リラックス効果」があります。
フィトンチッドという木特有の成分が発生しており、木の香りには消臭や殺菌効果も期待できるでしょう。
また木材ならではの柔らかな曲線模様には、人工物にはない癒しが感じられます。
木に囲まれた暮らしはどこかほっとした気持ちにさせてくれるので、大切な家族と過ごす住まいは木造を選ぶという方が多くなっています。
・構造的にデザインの自由度が高い
木造建築の「在来工法」は柱と梁で建物を支える構造のため、比較的自由に間取りが計画できます。
柱と柱の距離(スパン)の長い空間でも対応できるため、広々としたリビングや大きな窓なども設計可能です。
また在来工法なら新築時だけでなく、リフォーム時にもメリットが大きいです。
「子供が独立したので、子供部屋を改装したい」「寝室を1階に移動したい」など、大幅な間取り変更でも対応できるケースが多いでしょう。
最近ではライフスタイルの変化に合わせて住まいも作り変えるのが一般的なので、将来的なメンテナンス性を考えて木造住宅を選ぶ方が増えています。
■木造住宅のデメリット
ここでは、木造住宅のデメリットをご紹介します。住宅工法選びのご参考にしてみてください。
・耐用年数は短め
住宅の各工法での建築法定耐用年数は、以下のようになっています。
- 木造:22年
- 鉄骨造:19~34年
- 鉄筋コンクリート造:47年
木造住宅の耐用年数は22年ですが、実際に建物に住める年数というわけではなく、あくまでも「減価償却」上の年数となります。
適切にメンテナンスをすれば、木造でも長く住まうことは可能です。
・シロアリの被害
木はシロアリなどの害虫の好物のため、柱や床下などの構造部分が被害にあってしまうことがあります。
普段は見えない部分なので、気づかないうちにボロボロになってしまうことも。
そういった事態を防ぐために、新築時に防蟻処理や通気確保といった対策を行うのが一般的です。
■国でも木質化が推進されている
国土交通省では、木造住宅の流通を拡大するために多様な取組を行っています。
ここでは、主な取組についてご紹介していきます。
・地域型住宅グリーン化事業
「地域型住宅グリーン化事業」は、地域における木造住宅の生産体制を強化するため、地域材を用いた省エネ性能等に優れた木造住宅(ZEH等)の整備等に対して支援を行う取り組みです。
環境に配慮した「認定長期優良住宅」に認定されると、1戸あたり140万円の補助金が受け取れます。
さらに「地域材等加算」として、下記のような加算も設けられています。
- 主要構造材(柱・梁・桁・土台)の過半に地域材を使用する場合、20万円/戸を限度に補助額を加算
- 地域の伝統的な建築技術の継承に資する住宅とする場合、20万円/戸を限度に補助額を加算
・公共建築物等における木材の利用の促進
2021年には、「公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律の一部を改正する法律」が施行されました。
最近では高層ビルを木造で建てる技術も発展してきており、環境に優しい建物として推進されています。
こういった取り組みにより、社会的に公共建築物の木質化が進んでいくとされています。
■新築は木造住宅がおすすめ
木造住宅は、日本の一戸建ての中で最も戸数が多い工法です。
間取りの自由度が高くデザイン性の高い住宅が計画できるため、メリットが大きいでしょう。
新築住宅計画をお考えの方は、ぜひ木造住宅を検討してみてはいかがでしょうか。
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