建築家と創った中庭のある家|デメリット対策で理想の間取りを
注文住宅の中でもあこがれる方が多い中庭は、郊外・都市部どのような家づくりでもメリットや魅力の多い間取りです。しかし建築費用や動線効率の難しさ、メンテナンスなどのデメリットが気になる方もすくなくありません。
今回は建築家が設計したおしゃれな中庭のある家を見ながら、メリット・デメリットを詳しく解説していきます。
目次
■中庭の魅力やメリット
■建築家と創ったおしゃれな中庭のある家
■中庭のデメリットと対策
■中庭の魅力やメリット
・家全体が明るくなる
窓からの距離が離れる住まいの中心はどうしても暗くなりがちですが、中庭をつくると均等に光を届けることができます。
ワンフロアの床面積が広くなりやすい平屋や、一階の方が広い二階建ての暗さを解消するのに効果的です。
・風通しが良くなる
中庭を外周の窓と対になるように配置すれば、自然な空気の通り道になり風通しが良くなるのも大きなメリット。現代は24時間換気が義務付けられているとはいえ、自然の風が通り抜けるのはやはり気持ちが良いものです。
湿気・ダニ対策にもなり、清潔で健康的な暮らしにつながるのもうれしいポイントです。
・プライバシー保護に有利
外部からの視線にさらされない中庭は、プライバシー性の高さも魅力的です。ロの字の中庭ならカーテンがいらず、大きな開放感とたっぷりの自然光をいつでも感じられます。
コの字型の中庭も上手にレイアウトすれば、ティータイムや夕涼みなど有意義に活用できます。知らない人や車との接触がないので、小さなお子さんやペットの遊び場にもピッタリ。
■建築家と創ったおしゃれな中庭のある家
実際の注文住宅実例の中から、建築家が設計したおしゃれな中庭の間取りをご紹介します。詳細ページに内装・外観の写真をたくさん用意していますので、気に入ったお住まいはぜひチェックしてみてください。
実例①
平屋の中心に設置したロの字型の中庭は、視線が入らないためカーテンいらずで大きな開放感を得ることができます。視線が抜けることで実際の床面積以上の広さを演出でき、気持ちの良いリビング空間に。
フローリングとフラットに設置したデッキスペースも、お部屋を広く見せるデザインテクニックです。
中庭越しに見えるそれぞれのお部屋の景色も、住まいのデザイン性を高めてくれます。季節や時間帯によっても見え方が変わり、マイホームが魅力的に見えるのも中庭の魅力。
【実例詳細】⇒S様邸(設計:後藤組設計室 写真:後藤 智揮)
実例②
1階の床面積が広い2階建ての中心に中庭を作り、各部屋からつながる憩いのスペースに。南側の下屋から直射日光も入り、明るい雰囲気で過ごせるアウトドアリビングになっています。
外壁・床面ともにタイル仕上げにして、普段のお掃除やメンテナンス手間を軽減しています。広いスペースなので、お子さんやペットの遊び場、お友達とのおしゃべりなどさまざまな用途に使える素敵な間取りになりました。
【実例詳細】⇒Y様邸(設計:赤桐雅子・西田雄一建築設計事務所)
■中庭のデメリットと対策
しっかりデメリットを把握して対策しておかないと、中庭のせいで住まいに後悔が残ってしまうこともあります。セットで覚えておきましょう。
・建築費用が増える
中庭をつくると外壁や窓の面積が増えるため、床面積に対する坪単価はどうしても増加します。凹凸の加工処理や雨仕舞など、作業費がかかる点も注意すべきデメリットと言えるでしょう。
【対策】⇒レイアウトに工夫する
一般的な中庭のレイアウトはロの字型・コの字型・L字型の3種類で、それぞれ費用感が変わります。完全に壁で囲むロの字型は材料費・工賃ともに一番高く、コの字型やL字型で工夫すればコストを抑えることができます。うまくレイアウトに工夫すれば、一般的な建築費とそれほど変わらずに中庭をつくれるケースもあります。
予算総額の中でほかの設備や間取りとバランスをとり、コストを調整してみましょう。
・動線が複雑になる
住まいの中心に庭があると最短距離での移動が難しくなり、動線が複雑になることで効率が低下するケースもあります。仮に中庭を横切る動線をつくっても、窓の開け閉めがあるとちょっと不便ですよね。
【対策】⇒回遊性を高める
動線効率悪化の対策としては、住まい全体の回遊性を高めるのが効果的です。例えば中庭を中心に一周できる間取りなら、シーンに応じた最短ルートを選びやすくなります。部屋に2つ以上の出入り口を設けて行き止まりを無くしたり、リビングを回廊的に使ったり、いろいろな間取りアイデアがあります。家事や日々の生活に伴う移動ルートを細かくシミュレーションし、ムダのない動線を考えてみましょう。
・冷暖房効率が悪くなる
外からの熱気・冷気が侵入しやすい窓の面積が増えると、隣接する部屋の冷暖房効率が悪くなるのも中庭のデメリット。特に大きな窓を設けるほど外気の影響を受けやすくなり、エアコンや暖房の光熱費が高くなる可能性があります。
【対策】⇒窓の断熱性にこだわる
大きな窓面積の中庭をつくる場合も、ガラス面の断熱性能にしっかりこだわることで冷暖房効率対策になります。
ペアガラスの空気層に特殊なガスを封入したり、真空層を設けたりして断熱性能を高めたガラス製品が効果的です。開け閉めの必要がない窓なら、より断熱性能が高いトリプルガラスや二重サッシを選ぶのも一つの方法です。
・部屋が狭くなる
住まいの真ん中に庭をつくると、当然その分の床面積が減ってしまいます。都市部など土地の広さに余裕がない場合、中庭が居住空間圧迫の原因になるケースも。
【対策】⇒廊下の無い間取りで床面積を節約する
前述した回遊性の高い間取りづくりにもつながりますが、中庭を中心に廊下をなくし、床面積を浮かすのも一つのアイデアです。廊下で節約した分の床面積を中庭に回せば、居住スペース自体は圧迫されません。動線効率も良くなるので、積極的に検討してみてください。
・手入れやメンテナンスの手間がかかる
中庭で壁の量が増えると塗装メンテナンス時のコストが増える点にも要注意。近くに落葉樹があると落ち葉なども溜まりやすくなり、普段のお掃除手間も増えてしまいます。風が抜けにくいので湿気が溜まりやすく、コケが生えることもあります。
【対策】⇒構造や床面に工夫する
将来のメンテナンス手間やコスト増を避けるため、なるべく維持管理しやすい建材や構造を選びましょう。例えばタイル外壁は塗装のメンテナンスサイクルを伸ばすことができ、ランニングコストの節約になります。
コケが生えたときは家庭用の高圧洗浄機でお掃除しやすいように、水道や排水を設けておくとメンテナンス手間も軽減できます。防草シートを敷いたり、草が生えないタイルにしたり、普段のお手入れにも配慮してみましょう。
■まとめ:おしゃれな中庭のある家はかしの木建設にご相談ください
中庭は住まいを魅力的に演出し、理想的なライフスタイルを実現できる可能性のある間取りです。しっかりデメリットに対策すれば、オリジナリティが高く暮らしやすい間取りにすることも難しくありません。少しハードルが高いイメージのある中庭ですが、信頼できる施工店やプランナーとよく相談し、理想的な間取りを考えてみてください。
東京・千葉エリアで中庭のある家をつくるなら、私たちかしの木建設にもぜひご相談ください。施工店の立場から建築家をご紹介し、一般的な注文住宅と変わらない手間でオリジナリティの高いマイホームプランをご提案いたします。建築家のおしゃれで豊富な間取りアイデアを活かした、素敵な中庭のあるお家を検討してみませんか?間取り・費用・土地探しなど、どんなご相談もお気軽にお声かけください。