平屋は「差し掛け屋根」でおしゃれに|メリットと注意点

最近では、コンパクトな暮らしを求めるニーズの高まりから「平屋」が注目されています。

また平屋の屋根の形状の一つである「差し掛け屋根」は、個性的でオリジナリティのある外観で人気です。

そこで本記事では、平屋で差し掛け屋根を導入している事例をご紹介するほか、新築計画時の注意点についてもまとめます。

これから平屋計画をお考えの方は、ぜひ参考にしてください。

 

■差し掛け屋根とは

 

差し掛け屋根とは「一方の屋根を長く伸ばし、反対側の屋根を短くして非対称にした屋根」のことを指します。左右のバランスをあえて崩すことで、モダンな印象になるのが特徴です。

一般的に見られる「切妻屋根」とは違い、屋根同士に段差が生じます。これにより、建物全体の雰囲気がおしゃれになります。

差し掛け屋根は、屋根裏空間をロフトにする間取りと相性が良いです。平屋には2階がありませんが、ロフトを作れば2階のように使えておすすめです。

 

■差し掛け屋根の平屋|おしゃれな事例

ここでは、平屋で差し掛け屋根が採用されているおしゃれな事例をご紹介します。

実際の具体事例を見ることで、新築計画のイメージにお役立てください。

 

・①流行のブラックカラー

こちらの平屋事例では、玄関部分に差し掛け屋根が採用されています。

外壁全体が流行のブラックカラーになっており、シックでモダンな印象です。

差し掛け屋根の上部には高窓が設けられており、平屋でありながら天井が高い空間を実現しています。

 

建物全体は、このようになっています。

複数の棟を組み合わせた形状をしており、オリジナリティのあるデザインです。

平屋のため床面がフラットで、幅広い年代の方に過ごしやすいのが特徴です。

 

リビング・ダイニングにはあえて天井を張らず、梁を生かした構造となっています。

梁を見せることで空間に変化が生まれ、天井の高さが開放的な雰囲気を演出しています。

 

【事例詳細】H様邸(設計:松原正明建築設計室)

 

 

・②おしゃれな和モダン

こちらは和モダン平屋の事例で、中央部分が差し掛け屋根になっています。

差し掛け屋根は小屋裏部分に窓を設けられるため、通風や採光が良くなるというメリットがあります。

 

落ち着いたナチュラルテイストの内装

室内は、構造を表したつくりになっています。

木の質感を最大限に生かし、ナチュラルで落ち着いた質感に仕上がっています。

差し掛け屋根は勾配天井との相性が良いので、天井を高くしたい場合におすすめです。

 

【事例詳細】I様邸(設計:泉幸甫建築研究所)

 

■差し掛け屋根のメリット

メリット

ここでは、差し掛け屋根の主なメリットについてご紹介していきます。

見た目がおしゃれなだけではなく、機能的なメリットも多いのが特徴です。

屋根の形状を迷われている方は、ぜひ参考にしてみてください。

 

・外壁保護に役立つ

 

差し掛け屋根は片側の屋根を長く伸ばし、もう一方を短くした構造をしています。このデザインにより雨水の負荷が均等に分散され、特定の部分に集中して侵食やダメージが加わるリスクが低くなります。

特に長い方の屋根が突き出していることから、雨や風から外壁を守る役割を果たします。長い方の屋根が雨水や日差しを外壁から遠ざけることで、外壁の劣化や変色を抑制して耐久性を高めます。

ただし差し掛け屋根の外壁保護効果を発揮するためには、適切な設計と施工が必要です。定期的なメンテナンスや点検を行い、屋根や外壁の状態の確認が求められます。

 

・太陽光パネルと相性が良い

 

差し掛け屋根は片方が長い構造をしているので、表面積が大きくなります。

これにより、太陽の角度や日射の方向に応じて太陽光パネルを設置しやすくなるのがメリットです。

太陽光パネルの効果を発揮するためには広い面積が有効なので、差し掛け屋根にすることでより多くのエネルギーを生成できます。

外観とデザイン性から、太陽光パネルを組み込む際にも美しく調和します。

屋根全体のデザインにパネルを組み込むことで、建物全体の外観を損なわずに太陽光発電を行うことが可能です。

 

・通風性、断熱性が良い

 

一般的に多い切妻屋根は、屋根が閉じられた形状をしているため空気がこもりやすいというデメリットがあります。

しかし差し掛け屋根は、左右の屋根に高低差があります。そのため屋根下の空間に風が通りやすくなり、屋根裏にこもった暑気や湿気を効果的に排出できるのです。

カビや腐食を防ぐには換気が最も効果的なので、差し掛け屋根にすることで住宅を良好な状態に保ちやすくなります。

また断熱性能も高いので、外気温に関係なく快適な室温で過ごせます。

冷暖房などの光熱費節約に繋がるので、一石二鳥と言えるでしょう。

 

・屋根裏空間が広くなる

 

差し掛け屋根は、左右の屋根をずらして配置するため屋根裏スペースを確保しやすくなります。

特に平屋の場合は2階部分が無いことから、屋根裏をロフトのようにして使う間取りが人気です。

屋根裏は広めの収納スペースとして使える他、子どもの遊び場や書斎といった使い方もできます。

■差し掛け屋根の注意点

注意点

ここでは、差し掛け屋根の注意点についてご紹介します。

独特の形状だからこそのデメリットも存在するので、新築計画時にはぜひ確認しておきましょう。

 

・雨漏り対策が必要

 

差し掛け屋根は、シンプルな屋根と比べると複雑な形状をしています。そのため屋根と外壁の接合部分や周囲の施工が不十分だったり、劣化が進んでいたりする場合、雨水が漏れやすくなります。

雨漏りを防ぐためには屋根や外壁の点検を定期的に行い、劣化や損傷が見つかった場合は早めに修理することが必要です。

少しでも兆候が見られたら、迅速な対応をするようにしましょう。

 

・建築費用が余分に掛かる

 

差し掛け屋根は、一般的な屋根よりも建築的に特殊な構造となります。

これにより設計や建築作業に追加の手間が必要となり、それが建築費用を増加させる要因になってしまいます。

しかし差し掛け屋根の導入による追加費用は、初期投資として捉えるのも一つの方法です。

長期的な視点で見たときには、エネルギー効率や住宅価値の向上などのメリットが大きくなります。

 

【関連ページ】中庭のある間取りの種類と魅力|実際の建築事例も

 

■まとめ|平屋に「差し掛け屋根」を取り入れよう

平屋住宅は差し掛け屋根との相性が良く、おしゃれで個性的な外観になります。

またデザイン性が高いだけでなく、通気性や断熱性が高い点も人気のポイントです。

ロフトを作れば空間の有効活用にも繋がるので、ぜひ平屋で差し掛け屋根を検討してみてはいかがでしょうか?

 

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千葉県知事許可 県知事許可 建築工事業(特-29)第44199号
土木・とび土木工工事業(般-29)第44199号
大工工事業(般-29)第44199号

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