梁空間の照明計画手法|メリットや注意点

木造住宅では、梁や柱を生かした内装がおしゃれで人気です。

本記事ではその中でも「梁の照明」に注目し、通常の天井とは違う形状を生かした照明計画手法をご紹介します。

梁があることで空間に表情が生まれるので、ぜひチェックしてみてください。

■「梁」とは

「梁」(はり)は木造住宅の構造体の一部であり、主に屋根や床などを支えるための水平な構造要素を指します。

梁は通常、垂直に配置される「柱」とともに建物の荷重を支え、安定性を保ちます。

ただし梁の形状や配置は建物の設計や用途によって異なり、適切な構造計算によって算出されています。

 

・化粧梁(見せ梁)との違い

「化粧梁」とは、建物や室内のデザインや装飾の要素として使用される梁のことを指します。

一般的な梁とは違って構造上の必要性があるわけではなく、主に視覚的な美しさやスタイルの一部として取り入れられます。

化粧梁は、伝統的な建築様式だけでなくモダンなデザインにおいても見られます。

張りがあることで建物の天井部分を強調し、空間に奥行きや独自の特徴をもたらす役割を果たします。

■梁空間の照明の種類

ここでは、梁空間で用いられる照明の種類をまとめてご紹介します。

最近では複数の照明器具を組み合わせる「多灯分散配灯」が人気で、照明設計も複雑化しています。

主な種類を知っておくことで、快適な梁空間を計画しましょう。

 

・スポットライト

スポットライトとは、頭部を動かすことで特定の場所を照射できるタイプの器具を指します。

梁に直接設置したり、壁面に設置して空間全体を照らしたりする用途で用いられます。

角度が変えられることで、模様替えやシーン演出の切り替えといった場面でも便利に活用できます。

 

・ペンダントライト

ペンダントライトとは、天井から吊り下げて使うタイプの照明器具です。

コードの長さがある分、梁がある空間でも干渉せず問題なく設置できます。

器具のデザインの種類が豊富なので、インテリアに合わせて選びやすいのもメリットです。

 

・ダウンライト

ダウンライトとは、天井に埋め込むタイプの照明器具です。

器具本体が見えないため、天井面がスッキリと見せられます。

器具の直径は5~10㎝程度なので、梁と梁の狭い隙間でも問題なく設置できます。

 

・インテリアファン

インテリアファンとは、大型の回転羽を持つ器具のことを指します。

写真のように灯具が一体型になっているタイプだと、1台で明るさが確保できて便利です。

扇風機のように部屋の空気を撹拌してくれるため、天井の高い部屋の空調管理に適しています。

 

・間接照明

梁空間の照明計画手法|メリットや注意点

間接照明は、ライン上の器具を天井や壁に隠して設置するタイプの器具です。

光が直接目に入らないため、上品で落ち着いた雰囲気に仕上がります。

天井の高い梁空間の場合には、ハイパワータイプの器具を選ぶと照度もしっかりと確保できます。

 

■梁に照明を取付ける方法

梁は部屋の中央を横切る形で配置されるため、直接照明器具を設置した方が効率的に明るくできます。

梁に照明を取り付ける方法には、主に下記2種類があります。

 

・直付け

直付けは、電気配線と照明器具を直接接続する方法のことを指します。

電気配線の接続には電気工事士の資格が必要であり、一度設置すると位置変更は難しいという特徴があります。

しかし本体を直接梁に取り付けることで、器具を目立たせることなく空間にしっくりと馴染みます。

 

・ダクトレール

ダクトレールとは、複数の照明器具を設置できるレール上の配線器具のことを指します。

梁の下面・側面のどちらにも設置可能で、ペンダントライトやスポットライトといった器具を取り付けて使います。

簡単に器具の取り外しができるので、好きな位置に移動しやすいのが特徴です。

 

■梁空間のメリット

梁空間のメリットとしては、下記の点が挙げられます。

  • おしゃれなアクセントになる
  • 天井が高く見せられる
  • 空間を広く使える

 

梁はデザインの要素として取り入れることができ、独自のスタイルやアクセントとなります。

木の質感や形状によって、空間に温かみや風格が感じられるのがメリットです。

また梁を上手に配置することで、天井の高さを強調できます。

これにより、空間がより開放的で広々と感じられる効果があります。高い天井は部屋全体に開放感を与え、豪華でエレガントな雰囲気を醸し出せます。

■梁空間のデメリット・注意点

梁空間の照明計画手法|メリットや注意点

梁空間には、下記のデメリットや注意点もあります。

  • 明るめの照明計画が必要
  • 防音性・空調効率が劣る

 

梁が存在することで、光が遮られてしまう可能性があります。そのため明るい照明や適切な配置を検討することで、梁が影を作りすぎないようにし、部屋全体が均等に明るくなるように計画することが重要です。

また、天井の高い梁空間の場合には防音性が低下したり、空調効率が劣ることがあります。これらの要素を考慮して、適切な対策を講じることが重要です。

■梁の照明でよくある疑問

ここでは、梁の照明でよくある疑問についてご紹介します。

通常の天井とは違うからこそ、疑問に感じる点があればぜひプロの業者に確認してみるのもおすすめです。

 

・吹き抜けのある梁空間はどうする?

吹き抜けのある梁空間の場合、通常の1.5~2倍程度の明るさにする必要があります。

基本的には、天井面にも光がしっかり届くスポットライト等の器具で計画されることが多いです。

照明プランは各照明メーカーが見積もりサービスを行っているので、間取りを送付して作成依頼するのもおすすめです。

 

・照明器具のメンテナンスはどうする?

照明器具は、適切な時期のメンテナンスや交換が必要です。

その際に作業がしやすいように、なるべく手が届く範囲に器具を設置しておくとよいでしょう。

天井が高い空間の場合には特に、埋め込み型のダウンライト等は避けて壁付器具を選ぶのがおすすめです。

■まとめ

張りのある空間は、天井に表情が出ておしゃれになります。

照明器具にこだわるだけでぐんとグレードアップするので、ぜひ照明計画を立ててみてはいかがでしょうか?

 

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かしの木建設株式会社は、予算や設計、コンサルタント業務を含む建築・住宅工事に50年以上の実績があります。
本コラムのコーナーでは、住まい手に役立つ家づくりの情報を発信しています。

【資格・許可】
千葉県知事許可 県知事許可 建築工事業(特-29)第44199号
土木・とび土木工工事業(般-29)第44199号
大工工事業(般-29)第44199号

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