レンジフードの高さ決定方法|建築基準法や計算方法まとめ
新築の注文住宅では、内装や家具などの仕様を基本的にすべてオーダーメイドで計画できます。
しかし自由に決められるからこそ、「使い勝手の良い寸法は?」「自分に合った高さが分からない…」と悩まれるケースも多いです。
そこで本記事では、特にお悩みの多い「レンジフードの高さ」に注目してご紹介していきます。
これから新築計画をお考えの方は、ぜひ参考にしてみてください。
■レンジフードとは
レンジフードとはキッチンのコンロ上部に取り付けられる装置で、調理中に発生する蒸気、油煙、においなどを吸い込み、排気するための換気設備のことを指します。
ファンを回転させることで調理中に発生する煙や油分を吸い込み、換気システムを介して室外に排出します。
これによりキッチン内の換気や空気の浄化が行われ、快適で清潔な調理環境を維持するのに役立ちます。
レンジフードにはさまざまなタイプやスタイルがあり、キッチンのデザインや使い勝手に応じて選択できます。
・レンジフードの種類
レンジフードの種類としては、主に下記の2種類が挙げられます。
①浅型レンジフード
浅型レンジフードは一般的に薄型であり、突出が少ないためスペースを節約できるのがメリットです。
シンプルなデザインでキッチンの見た目がすっきりとし、より広々とした印象になります。
コンパクトな設計なので、レンジフードの下での作業スペースが広がる点も特徴です。
これにより調理中により広い視界を確保でき、料理がしやすくなります。
シームレスで継ぎ目のないタイプを選べば、汚れが溜まりにくくお手入れも楽です。
④深型レンジフード(ブーツ型)
深型レンジフード(ブーツ型)とは、一般的なキッチンで広く使用されているタイプです。
容積が大きいことで換気能力が比較的高く、より排気効率が上がります。
ただし大き目なので、キッチンのデザイン性を重視する場合には浅型の方が向いています。
■レンジフードの高さの目安
一般的なレンジフードの高さは「床から約165㎝」となっています。
細かい住宅設備の仕様が決められない建売住宅の場合は、このくらいの高さに設定されていることが多いです。
これは多くの人にとって使いやすい高さではありますが、身長には個人差があるので使いづらいと感じる方もいるでしょう。
特に最近では共働きの影響で、男性もキッチンに立って家事をする機会が増えました。
背の高い男性には使いにくいと感じられることもあるため、住む方それぞれに合った高さに設定することが大切です。
・「身長÷2+5cm」で計算
レンジフードの高さの目安は「身長÷2+5cm」で計算できます。
例えば身長160㎝の場合、「160÷2+5=85㎝」となります。
これは「コンロからの距離」のため、キッチンカウンターが80㎝の場合には「床から165㎝」が適切な高さです。
ただしキッチンカウンターの高さにも種類があるため、組み合わせ方も様々です。
実際にそれぞれの高さを体感してみて、使いやすいと思った組み合わせを選ぶことが重要になります。
・「対面式キッチン」と「壁付キッチン」のおすすめ寸法
キッチンのレイアウトによっても、レンジフードのおすすめ寸法は異なります。
まず「対面式キッチン」は、リビング・ダイニングに対面する形のレイアウトです。
この場合油煙が拡散しやすいので、キッチンカウンターから80~90㎝にするのがおすすめです。
一方で「壁付キッチン」の場合には、正面に壁があることで気流が安定しやすくなります。
そのため、100㎝程度距離が離れていても問題ありません。
■レンジフードの高さに関する法律
レンジフードの高さに関しては、建築基準法や消防法で規定があります。
それぞれの基準を確認しておくことで、法律違反を防ぎましょう。
・①建築基準法
建築基準法では、レンジフードの高さについて「火源(火の発生元)から調理機器に設けられた排気口フード下端までの高さを100cm以下にする」と定められています。
これは、あまりにも距離が離れすぎると換気の効果が薄れることが理由です。
身長が高い人の場合にはレンジフードも高い方が使いやすいですが、基準内の寸法に収めるようにしましょう。
・②消防法
一方で消防法では、レンジフードについて「調理機器(コンロ)から80cm以上距離を空ける」と定められています。
そのため建築基準法と消防法の条件をどちらも満たすためには、「調理機器(コンロ)から80~100㎝」の距離にレンジフードを設置する必要があります。
■レンジフードの高さで後悔しやすいポイント
ここでは、レンジフードの高さで後悔しやすいポイントについてご紹介します。
事前に注意点を知っておくことで、後悔の無いキッチン計画に生かしましょう。
・レンジフードに頭をぶつけてしまう
レンジフードはちょうど頭の位置の近くにあるため、料理中に頭をぶつけてしまうトラブルも多いです。
まずできる対策として、レンジフードの高さを適切に調整しましょう。
身長で算出した基準値だけでなく、ショールーム等で実際に寸法を確認することでピッタリのサイズを選べます。
また調理中やキッチンで動作する際には、レンジフードの位置を常に意識しておくことも重要です。
ただしいくら気を付けていてもぶつかってしまうことはあるので、「余計なものを置かない」、「調理中の動作がしやすい配置にしておく」といった家事動線を意識した間取り計画にするのがおすすめです。
・レンジフードが高すぎて掃除が面倒
レンジフードを高く設定すると、ホコリが溜まった場合に掃除が面倒になってしまいます。
そのためなるべく手が届きやすい高さに抑えておいた方が、メンテナンスがしやすくなっておすすめです。
また内部の掃除については「自動お掃除機能」が付いたタイプを選ぶ方法もあります。
10年程度お掃除不要になるタイプも販売されているので、なるべく手を掛けたくないという方にぴったりです。
■レンジフードの高さでよくある疑問
ここでは、レンジフードの高さに関するよくある疑問をまとめてご紹介します。
・ガスコンロとIHコンロで違いはある?
基本的に、ガスコンロとIHコンロでレンジフード高さの明確な違いはありません。
建築基準法と消防法の条件を満たす寸法であれば、どちらに関しても自由に設定できます。
しかしIHコンロの場合、ガスコンロと違って「上昇気流が発生しにくい」という特徴があります。
これにより吸い込みが悪くなる可能性があるため、なるべくコンロに近い高さに設定する方がおすすめです。
・高さ調節は可能?
一度レンジフードを設置すると、簡単に調整することは難しくなります。
基本的には、リフォームでレンジフードごと交換する方法が採られます。
リフォームでは余計な費用や工期が掛かってしまうため、新築の段階でしっかり寸法を確認しておくのがおすすめです。
■まとめ
本記事では「平屋の最強の間取り」についてご紹介してきました。
平屋は若い世代にも人気が広がっており、おしゃれで実用性が高い点が評価されています。
計画のポイントを参考に、納得のいく住まいづくりを計画してみてください。
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