イ準耐とロ準耐の違い|木造新築計画のすすめ
新築戸建て住宅の中で最も多いのが「木造住宅」で、全体の約85%を占めています。
木造は木の香りがして自然に優しい上に、比較的ローコストなので人気があります。
しかし新築計画を進める中で「準耐火建築物」「イ準耐」「ロ準耐」といった言葉が登場するため「意味が分からない…」と困ってしまうお施主様も多いのではないでしょうか?
そこで本記事では、「イ準耐とロ準耐の違い」に注目して概要をご紹介します。
これから木造新築戸建て住宅をお考えの方は、ぜひ参考にしてみてください。
■準耐火建築物とは
そもそも準耐火建築物とは、耐火構造よりも規制の緩い建物のことを指します。
具体的には、火災後45分間以上の耐久性があり、「延焼を抑制する」性能を有することが条件です。
耐火建築の基準は満たしませんが、柱や梁といった主要な構造部に準耐火性能を有しています。
火災時には耐火構造のように「防止」するのではなく「抑制」するのが主な目的になりますが、窓等の開口部は耐火建築と同じレベルの性能と定められています。
都市計画法ではその地域に立てて良い建物の条件や制限が定められており、それに則った計画をする必要があるのです。
たとえば駅の近くや商業施設が集まっている地域は防火地域となっているケースが多く、「市街地における火災の危険を防除するため定める地域」とされています。
エリアごとに耐火基準が定められているため、適合した性能を満たす必要があります。
・①イ準耐とは
イ準耐とは、「建築基準法第2畳第1項第九の三号(イ)」に定められている準耐火建築物のことを指します。
大まかには、イ準耐は「木造建築全般」を対象としているのが特徴です。
【外壁、床等の条件】
イ準耐では「主要構造部を準耐火構造とすること」と定められています。
具体的な主要構造部とは「壁、柱、床(最下階の床を除く)、はり、屋根、階段」といった部分のことです。
主要構造部を燃えにくい仕様にすることで、建物全体が延焼してしまうのを防ぐ目的があります。
・②ロ準耐とは
ロ準耐とは、「建築基準法第2畳第1項第九の三号(ロ)」に定められている準耐火建築物のことを指します。
イ準耐が木造を対象としているのに対して、ロ準耐は「非木造」という違いがあります。
【外壁・床等の条件】
ロ準耐の中には「ロー1」「ロー2」という区分があり、それぞれ条件が異なります。
▼ロー1
まず「ロー1」は、下記の条件を満たす建築物です。
- 主要構造部:準耐火構造と同等の耐火性能をもつ
- 延焼のおそれのある開口部:防火設備(建築基準法2条九の二号ロ)
そして外壁・床等については、下記の条件が定められています。
- 外壁:耐火構造
- 屋根(延焼のおそれのある部分):準耐火構造など
- 屋根(一般部分):不燃材料で造るか、葺く
外壁を耐火構造とすることで炎から守ることから「外壁耐火」と呼ばれる場合もあります。
▼ロー2
次に「ロー2」は、下記の条件を満たす建築物となります。
- 主要構造部:不燃材料で、準耐火構造と同等の耐火性能を持つ
- 延焼のおそれのある開口部:建築基準法2条九の二号ロに該当する防火設備とする
外壁・床等については、下記の条件が定められています。
- 柱 、はり:不燃材料
- 壁:不燃材料および準不燃材料
- 外壁 (一般):不燃材料および準不燃材料
- 外壁 (延焼のおそれのある部分):耐火構造・準耐火構造または防火構造
- 床(2階以下):不燃材料および準不燃材料
床(3階以下):準耐火構造又平成12年告示第1368号に適合する構造 - 屋根:不燃材料で造るか又はふく。
- 階段:不燃材料および準不燃材料
ロ準耐は「主要構造部不燃」とも呼ばれています。
■「イ準耐」と「ロ準耐」の違い
イ準耐とロ準耐の主な違いとしては、「竪穴区画」と「面積区画」が挙げられます。
・竪穴区画
竪穴区画とは、階段や吹き抜けの入り口部分に設けられる防火上の区画のことを指します。
階をまたいで炎が広がるのを防ぐために、壁等で区切られる形で構成されるのが特徴です。
まずイ準耐は、一定の規模以上の建物の場合には必ず竪穴区画の設置が求められます。
一方でロ準耐は、主要構造部が準耐火構造ではないため竪穴区画が免除されます。
・面積区画
面積区画とは、床面積の大きい大規模建築に対して設けられる基準のことを指します。
- イ凖耐(1時間以上):床面積≦1000㎡
- イ凖耐(1時間未満):床面積≦500㎡(防火上主要な間仕切壁も必要)
- ロ-1凖耐:床面積≦500㎡(防火上主要な間仕切壁も必要)
- ロ-2凖耐:床面積≦1000㎡
上記のような基準が定められているため、床面積の大きさに応じてイ準耐かロ準耐かを決定します。
■イ準耐・ロ準耐でよくある疑問
ここでは、イ準耐やロ準耐に関するよくある疑問についてご紹介します。
一般的にはあまり聞きなれない言葉なので、まとめて疑問を解消しておきましょう。
・新築は準耐火建築の方が安心?
木造住宅の場合「火事が心配だから、念のためイ準耐建築にしておいた方がいいのでは?」と思われるかもしれません。
しかし防火地域や準防火地域でない限り、むやみに準耐火建築にする必要はありません。
あくまでも延焼を防ぐための規定である上に、防火規定を満たすためには余計なコストが掛かってしまいます。
基本的に適切に施工された木造住宅は耐火性能が十分高いため、心配不要な場合がほとんどです。
新築を予定されているエリアがどの地域に該当するのかしっかり確認して、適切な仕様を選びましょう。
・イ準耐、ロ準耐の照明計画は制限がある?
イ準耐やロ準耐の場合、照明器具も準耐火性能を備える必要があります。
特に埋め込み型のダウンライトの場合、本体を天井裏に埋め込むため「準耐火対応」の器具しか使えない場合も多いです。
また天井埋め込み型の人感センサーは対応不可な場合があるため、なるべく壁付の人感センサーで対応できるように計画する必要があります。
ただし実際に対応できるかどうかは、それぞれの状況によって異なります。
そのため工務店の担当者や照明器具メーカーに問い合わせる等で、しっかり確認しましょう。
・準耐火建築にするか判断が付かない…
防火地域や準防火地域に新築を計画されている場合、「自宅を準耐火建築にするべきかどうか分からない」と迷われるケースは多いです。
建築基準法や地域の条例をよく確認する必要があるため、一般のお施主様だけで判断するのは難しくなってしまいます。
住宅の構造は照明計画や内装にも影響を与えるので、ぜひ専門業者や工務店に相談するのがおすすめです。
気になる点があれば、ぜひ気軽に質問してみてください。
■まとめ
本記事ではイ準耐とロ準耐の違いについてご紹介してきました。
木造住宅では、建築するエリアによってはイ準耐にする場合もあります。
判断が付かない場合には、建築のプロに相談してみるのもおすすめです。
計画のポイントを参考に、納得のいく住まいづくりを計画してみてください。
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